Malzack Blog

— 丸山和訓のブログ —

ハイブリッドノート術

左脳ビジネスからの転換

データ主義はまだまだ現代ビジネスの主流だ。情報収集、分析を得意とする左脳タイプの人が優秀とされている。ところが、近頃はその働き方のメッキが剥がれてきた。PDCAサイクルを使って、「このプロジェクトの問題点は分析により明らかになりました」というところまでは良い。ただ、そのあとに出てくるアイデアが、ありきたりなのである。左脳タイプは現実的に考えすぎるので、目が覚めるような斬新なアイデアが出にくいのだ。

PDCAサイクルは、業績を加速させるときに有効だ。ブラッシュアップを繰り返して、伸びている業績をさらに伸ばす。しかし業績が停滞しているとき、つまり、改革が必要なときには向いていない。PDCAは使われすぎて平凡なフォーマットになってしまい、新しいアイデアを生み出すことには向かなくなった。そもそも、どこの企業もどのビジネスマンも使っているPDCAサイクルで、ライバルに勝てるのだろうか。

左脳を使った分析力はビジネスにおいて必要だ。でも、それに加えて右脳的な発想力に磨きをかけたら、鬼に金棒ではなかろうか。左脳か右脳か。デジタルかアナログか。そんな議論はもう意味をなさない。これからは、その両方が必要な“ハイブリッドの時代”に突入したのである。

ノートの取り方もハイブリットに

iPad ProとApple Pencilの組み合わせは、ハイブリッドの時代にピッタリのデバイスだ。デジタルでありながらアナログでもある。左脳と右脳をバランスよく統合するためのトレーニングとしても最適だ。仕事のすべてを網羅することはできないが、新しい働き方をサポートするツールになる。

ここで、Note Alwaysというアプリを使った具体的なノート術を紹介していこう。

iOS11の特長と基本フォーマット

マルチタスク機能

iOS11が搭載されたiPadでは、2つのアプリを同時並行で操作することができる。デジタルノートをとるときは、Slide Overの機能が便利だ。画面下からのスワイプでdockを呼び出し、使いたいアプリをスクリーンの中にドラッグアンドドロップする。

f:id:mlzk:20180323214924j:plain 【dockを呼び出すスワイプ】

f:id:mlzk:20180323215119j:plain 【スクリーン内にドラッグ】

画面右端がデフォルトの位置で、文字を書くときにジャマになる。そんなときは、アプリ上部の[―]をドラッグして左側に移動できる。

f:id:mlzk:20180323215256j:plain 【移動させる写真】

一度画面の外に追いやって、また呼び戻すことも簡単だ。

f:id:mlzk:20180323215256j:plain 【追いやって戻す写真】

方眼に補助線を引く

Note Alwaysで方眼のフォーマットを選び、補助線を引いていく。12.9インチであれば3分割、9.7インチであれば、2分割でもいいだろう。 f:id:mlzk:20180323215835j:plain

Note Alwaysはフリーハンドで線を引いてから、あとで直線に変化させることができる。もちろん線を引いてから移動させたり、線の長さを変えることができる。 f:id:mlzk:20180323215835j:plain 【変化させる写真】

1ページが埋まってきたら、次のページに移ろう。二本指のピンチインのアクションで新しいページが開く。あとは同じように補助線を引いてフォーマットをつくる。 f:id:mlzk:20180323215835j:plain

インプットのテクニック

Slide Over+Safari

仕事での情報収集はおもにインターネットで行うことが多いだろう。そんなときも、ただ情報を眺めているだけではもったいない。なるべくメモを取りながら情報をインプットしていくのだ。たとえ、書いた内容をあとから見返すつもりがなくても、とりあえずペンを走らせる。目的は情報のインプットを強めるためにある。手書きで手を動かすことで脳が活性化し、情報が頭にインプットされやすくなるのである。 【『サファリを見ながらメモ』的なキャプション】

だらだらとペンを走らせるだけでも意味があるが、重要そうな画像やグラフがあったら、それをノートに貼り付けよう。アナログノートでこれをやるには大変だが、デジタルなら簡単だ。しかも『保存→貼り付け』なんて面倒なことはしなくていい。Slide Overで表示させているアプリから、ドラックアンドドロップでノートに持ってくるだけだ。貼りつけたあとはもちろん大きさを変えられる。

画像のまわりにコメントを書くのもいいし、重要な部分をぐるぐると手書きならではのニュアンスで丸をつけるのもいい。。 【画像+手書きテキスト】

画像の上に書くときは、画像を選択してからロックをする。

【ロックする画像】

画像だけではなく、画面全体をウェブクリップする方法もある。まずはホームボタンと電源ボタンを同時押しでスクリーンショットを撮る。左端にスクリーンショットした画像が表示されたら、それをメモ編集からトリミングする。

【トリミングする画像】

トリミングしたウェブクリップは、右上のイメージボタンから貼り付け。ペン先を薄い黄色のマーカーにして、手書きのアンダーラインを引くのも味がある。赤文字で注釈をいれるのもいい。

【それっぽい画像】

Slide Over+写真 iPhoneのカメラを情報収集のツールとして使おう。お店の看板や、カフェの内装など、仕事のヒントになりそうなものがあったらカメラに納めるのだ。

ウェブクリップと同様に、撮った写真をノートに貼り付けてコメントを残そう。写真には文字では表現できない膨大な情報が含まれている。文字したら

言葉ではニュアンスが難しいイメージ

Slide Over+Kindle

紙とペンに追いついたApple PencilとNote Always Apple Pencilの可能性を引き出したNote Always iPadが世に出たときは専用のスタイラスペンがなく、多くのメーカーが開発をしてきた。しかしながら、目まぐるしく進歩しているテクノロジー業界において、スタイラスペンだけは革命的な変化を遂げられなかった。どの製品も「スタイラスペンで書きました」といった印象がぬぐえず、現実の手書きとの間には超えられない一線があった。伸び悩むiPadとスタイラスペンを横目にアナログノートが売れ続けるのは、デジタルペンが手書きに追いつけなかったからだ。

しかし、2015年11月に発売されたApple Pencilは密かなイノベーションを起こしている。その事実にまだ世間は気づいていない。Apple Pencilは新しいスタイラスペンの領域に突入している。ところが、そのポテンシャルを引き出しているアプリは少ない。そのなかで『Note Always』というアプリが頭ひとつ抜けていて、Apple Pencilの可能性を最大限に引き出している。

Note Alwaysの書き心地 Note Alwaysは手書きに匹敵する書き心地にこだわったアプリだ。「リアルなボールペンに極力近づける」と開発者はコメントしているが、すでにボールペンを上回っている。

ボールペンは読んで字のごとく先端がボールであるという構造上、筆線が丸く均一になりトメハネの表現力が弱い。その点、Note Alwaysでは万年筆に近いトメハネと、筆圧による強弱がつけられる。また、ボールペンは先端のボールを転がすことでインクが出るため、紙にやや押し付けるように「ゴロゴロ」と書く必要がある。反面、Apple PencilとNote Alwaysであれば触れる程度の筆圧で「スラスラ」と書くことができる。 Note Alwaysはマーカーペンの精度も最高峰だ。書き始めと書き終わりはしっかりとインクが出て、書き途中はかすれたような書き味になる。まるで現実で書いているような感覚なので、デジタルペンであることを忘れさせてくれる。だから書く作業に没頭できる。

Note AlwaysはApple Pencil専用のアプリで、市販のスタイラスペンは使えない。Apple Pencilは1万円を超える高級ペンなので購入をためらう人が多いと聞くが、ぜひともNote Alwaysを試していただきたい。筆跡がアナログペンに追いついただけなら、紙とペンを使えばいいだけの話だが、アナログ並みの書き味で、デジタルならではのユニークな使い方ができるからだ。 デジタルノートが切り開く未来 一本であらゆる機能のペンに変化 多機能ペンはボールペンとシャーペンを切り替えたり、色を変更できたり、ペンを持ち替えることなく機能や色を選択できる。ところが、この便利さをはるかに超えてしまうのがデジタルペンである。Note Alwaysは、他のノートアプリと同様にたくさんの色が用意されている。ペンの太さやペン先の種類が選べる。ペンケースに納まりきれない本数をApple Pencil一本でモバイルすることができるのだ。ペン先と色の組み合わせを掛け算すると、その数は300パターンを超える。

ペンのまま選択して移動もコピーも 多くのノートアプリには投げ縄ツールがある。一度ペン先を投げ縄に変更してから、くるっと囲んで文字や図を選択できる。そうすることでコピーや移動が可能になるのだが、いちいち切り替えるのは面倒だ。Note Alwaysならペン先を変更する手間がない。ペンのまま該当の箇所を囲むとオートマティックに投げ縄ツールとして反応してくれる。 手のひらマークをペン先でホールドすると、ドラッグして移動ができる。文字が密集してきたら文字をズラして、新しいスペースを作り出すことが可能だ。コピーして同じ文字やイラストを増殖することも可能だ。

書いた後から色が変えられる Note Alwaysは書いた後から色が変えられる。他のアプリでは、書く前に色を選択するのが常識だ。したがって「やっぱり赤色にしたい」と思ったときは、一度文字を消して、それからペン先を変更し、新たに書き直さなくてはいけない。その点、Note Alwaysは「どの色で書こうか」と考える必要がない。書いた後に色を変えたくなったときは、該当の部分をペンで丸く囲み、色を選択するだけだ。だから頭に浮かんだ言葉をノータイムで書ける。色だけでない。太さもペンの種類も後付けで変えられる。これはアナログでは味わえない体験である。

定規やコンパス不要の作図機能 Note Alwaysは定規がなくても直線が書ける。縦横斜め、どの方向でもいいのでスーッと線を引くと、キラキラとしたアイコンがあらわれる。これをタップするとフリーハンドで書いた線が、直線に変化していく。なんどもタップを繰り返すと最後にはキレイな直線になる。

四角と丸もキラキラアイコンで補正ができる。多くのノートアプリにも作図機能はあるが、あとから変更が可能で、しかも段階的に調整できるのはNote Alwaysだけだ。特にこの「段階的」というところがいい。整った図形を描きながらも、アナログのニュアンスを残すことができるのだ。

アナログよりも思い通りに消せる フリクションは文房具界の大ヒット商品だ。ボールペンやサインペンのようなインクで書くことができ、こするだけで文字が消えるという優れものだ。消しゴムもいらないし、消しカスもでない。

しかし、Note Alwaysはフリクションをさらに上回る。まず、フリクションのようにペンの頭とお尻を持ち替える必要がない。利き手とは逆の手で、消しゴムのアイコンをタップするだけで、ペン先が消しゴムに切り替わる。「アイコンを押しながら消して、離して元のペンに戻る」といった一時的な使い方も用意されている。

スイーパーという機能も驚きだ。箒のアイコンを選択して線の一部に触れるだけで、その線のすべてが消えてしまう。これは現実の世界では存在しない消し方だ。このスイーパーを使えば、文字と文字のわずかな隙間の線を消すことも可能だ。

Note Alwaysの文字の消し方は多彩で、もうひとつ「掴んで振り回す」いうのがある。文字を移動させるときと同様に、消したい箇所をぐるっと丸で囲み手のひらのマークを出現させる。そのあとにペン先でホールドしながらそのまま大きく揺らすのだ。そうすると、書いた文字がスッと消えてしまう。

消すだけでなく、Undoも使える。親指と人差し指の付け根にペンをはさんで、残りの3本指で左にスワイプしてみよう。消すよりも素早く、一瞬でひとつ前の状態に戻れる。一度Undoしたあと、同じく3本指で右スワイプすれば、Undoを取り消すことができる。

消し方のバリエーションが多すぎて、どの消し方を選ぶのか迷うのではないか。そう思う人もいるかもしれない。しかし、使ってみるとそんなことはない。パレット上の消しゴムのアイコンは視野に常に入っているので選びやすいし、ペンでの振り回しや3本指を使ったアクションは直感的で、迷うことはない。「ここを消したい」と感じるのと同時に、それに一番適した動作に自然と体が動く。

画像が貼れるノート アナログのノートの弱点はイメージが貼付できないことだ。iPhoneで撮った写真をプリントアウトして糊で貼りつけることもできるが、それはかなり現実的でない。

Note Alwaysならカメラロールにある写真データ、DropboxやiCloud driveなどのクラウドにある画像も貼り付けられる。デジタルならではのうれしい機能だ。画面をスクリーンショットで撮って貼り付けることもできるし、Webの画像を長押しタップから『コピー』すれば、Webで落ちている画像を拝借することも可能だ。

添付、保存、共有もダイレクトに Note Alwaysをはじめとするノートアプリは、JPEGやPDFの形式でダイレクトに出力できる。Gmailで添付ファイルにしたり、Twitterで投稿したり、Dropbox、Evernoteに保存ができる。

紙のノートもスキャンして取り込むことができるが、手間がかかる。スキャナーは光の加減で一部が暗くなることもあるし、どうしても質が劣化してしまうのも難点だ。Note Alwaysなら手書き並みのクオリティの文字で、そのまま保存ができる。

Note Alwaysはかゆいところに手が届く。ページ全体を出力できるのはノートアプリの常識だが、一部を切り取って出力ができるのがNote Alwaysの細かな配慮だ。たとえば、ノートに何となく書いた一文を選択して、部分的にTwitterにアップすることも可能なのだ。 新しいノートのカタチ アイデアはもっとも自由なフォーマットから生まれる アイデアを生み出すときは形式ばった方法を使わずに、ルールなしで臨むといい。絵を書いてもいい、図を書いてもいいし、文字を書いてもいい。とにかく頭に浮かんだことをページに落とし込んでいく。マインドマップの ように「枝葉にしなければならない」というルールは、逆に思考を制限してしまうこともある。何も書かれていないスペースに唐突に文字を書き出せる自由さが、アイデアが生まれる瞬間には必要なのだ。

Note Alwaysを使った下書きは、脳とペンが直列でつながれた感覚で、とにかく書きまくることができる。それは、あとから色を変えられたり、書いた文字を移動させたりできるという安心感があるからだ。ノープランで書いたアイデアも、場所を移動させたり、色付けをしたりして、最終的にまとまりのある一枚になる。
アイデアを書いたらDropboxやEvernoteに保管しよう。保管する前に、スペースがあればアイキャッチ画像を貼っておくのもコツだ。ノートを振り返ったときに画像があれば、文言を読まなくても何について書かれたものなのかが瞬時にわかる。

新しいスクラップブック デジタルノートを使ったスクラップブックは「革命」だ。たとえば読書ノート。読んだ本は、デジタルテキストでまとめるだけでは頭に残らない。表紙の画像をはりつけて、学んだことを手書きで書き留めよう。特に大事な部分はスクリーンショットを撮って貼り付けておくことで記憶に定着しやすくなる。Kindleの画面だって取り込めるし、紙の書籍はカメラで撮影すれば貼り付けられる。

WebページをクリップしてEvernoteに保存している人はデジタルのスクラップブックに切り替えよう。保存したいWebページに出会ったらスクリーンショットを撮ってNote Alwaysに貼り付ける。そして、手書きのコメントを書き加えれば記憶に残りやすいデジタルスクラップのできあがりだ。

思い出の写真はカメラロールの保存しているだけではもったいない。複数の写真をペタペタと貼って、自分だけのスクラップブックを作ろう。iPhoneで何枚も写真をスライドさせなくても、1イベントが1枚で見られるので楽しかった思い出も蘇る。 これらのスクラップブックをクラウドに保管して、定期的に見直す。味気ないデジタルテキストより、振り返ったときの楽しさが段違いだ。

タスク、スケジュール、習慣化も手書きで キーボードやフリックで打った文章は覚えていないが、手書きで書いた文章は記憶に残っている。手書きというアウトプットが、自分へのインプットも兼ねていることは興味深いことである。だから、タスクもスケジュールも手書きで書いたほうがいい。

アメリカ発のBullet Journalが日本でも流行しはじめた。Bulletとは「箇条書き」の意味。Bullet Journalとは、方眼ノートにスケジュールやタスクを箇条書きで埋めていく手帳術である。基本的なルールは存在するが、自分流にアレンジしていくのが特徴だ。

iPad ProでBullet Journalをやるときは12.9インチが適している。この大きなタブレットがあれば、タスク、スケジュール、習慣化の管理が同時にできる。

縦書きで日にちと曜日を書き込んで、習慣化とスケジュール管理は並行して行う。習慣化は1日あたり3つとし、実行したら黄色のマーカーでその日の方眼を塗りつぶす。習慣化アプリでタップするよりも達成感が感じられるので、手書きで塗りつぶしたほうが習慣化は継続しやすい。

スケジュールも手書きで書き込んでいく。Note Alwaysは文字の移動、縮小もあとから変更できるので、スペースが狭くなったときも安心だ。また、手書きで書き込むことで日程は記憶に残りやすくなるので、デジタル管理よりも時間に追われる感覚がない。「カレンダーアプリを見ないと予定が思い出せない」という人は手書き管理を試してみるといい。

最後にタスク管理だ。タスクは頭で覚えることをやめて、なるべくアウトプットしたほうがいい。頭のメモリを軽くすることで目の前の作業に集中しやすくなるからだ。思い立ったタスクを瞬時に保存するという点では、手書きよりもスマートフォンが適している。フリック入力は片手でできるし、手書きよりも高速だからだ。けれども、デジタルテキストは記憶に定着しにくいのが弱点だ。どんなに確実にタスクを保存しても、絶対的な安心感は得られない。タスクと記憶が分離した状態では「タスクをやり残しているのではないか」という不安は拭えないのだ。

そこで、一手間かかっても、デジタルテキストでタスクを保存して、それを手書きで書き直すという作業をおすすめする。非効率なように感じるかもしれないが、タスクを把握するという意味で強力な手段だ。

そもそもBullet Journalは、未達成のタスクを何度も次ページに書き直す手帳術である。この作業をすることで、繰り越されたタスクは記憶に定着し、安心感が生まれるのである。試験の暗記対策で「何度も書く」という方法があるが、これはタスク管理にも当てはまるのだ。

本当に集中できる状態とは、タスクに対する恐怖がない状態のことだ。手書きを取り入れることで「タスクを支配している」感覚を味わうことができる。

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