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臨時休業の貼り紙

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カゼのためお休みします.

特に取り上げるほどの内容でない貼り紙だが、思わず足を止めて写真を撮った。

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この貼り紙を書いた人と僕は相性がいい。会ったことはないがハッキリとわかる。僕もこの人も、同じタイプの人間なのだ。

この貼り紙のミッションは「店を急遽休むこと」を伝えることだ。よくあるフォーマットは、「申し訳ございませんが、臨時休業とさせていただきます」と丁寧に伝えるパターンだ。しかし、こちとら風邪なのだ。別に悪いことをしているわけではないので、過剰にへり下る必要はない。そうすると、最初の丁寧な入り方と末尾の二重敬語はカットとなり「臨時休業します」まで短くなる。

臨時休業する場合、特に休む理由を明らかにしないのが鉄則だ。風邪にかかったことをあえて貼り紙で伝える必要はない。それはお客様に関係ないことだからだ。「一身上の都合により」「諸事情により」と日本人はすぐにお茶を濁す。しかし、こちとら風邪で辛いのだ。お店ができないくらい熱が出てるし、ダルいのだ。それを伝えて何が悪い。理由もわからず休まれたら相手も訝しがる。だから、ここはしっかり風邪だと伝えよう。そんな店主の想いが僕にはわかる。

そして、ここからがポイントだ。「風邪のため臨時休業します」という字面は重すぎる。風邪をこじらせて肺炎になりそうな勢いである。お客様に心配をかけすぎてはいけない。こちとら、風邪といっても一日横になっていれば治る程度だ。無理すれば営業できるけど、ここはムリせずに休んでおこう。そのくらいの風邪なのだ。その気持ちが「風邪」を「カゼ」に置き換える。「臨時休業」も大げさなので「お休みします」くらいがちょうどいい。「休みます」だと言い方がちょっとキツイ。

僕がもし同じ立場だったら、まったく同じ文面にしていると思う。店主とはことごとく気があいそうなので、いつか酒を酌み交わしてみたい。

ただひとつ、文章の最後を「.」で終わらせた理由だけよくわかりません。僕だったら「。」にするのですが。風邪がつらくて最後の力を振り絞った「.」だと想像すると、店主には早くよくなってほしいと心の底から願う。
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