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『鬼辛チゲ鍋』に殴られた

僕はいま怒っている。その理由は、注文したチゲ鍋があまりにも辛かったからだ。

昔、ダウンタウンが司会の音楽番組でX JAPANがゲストの回があった。トークではメンバーがYOSHIKIの破天荒エピソードを紹介し、それをみんなで笑うという流れ。そのときに紹介されたエピソードのひとつに「カレーが辛い」という話があった。

楽屋で出されたカレーを食べるYOSHIKI。しかしその辛さが尋常ではなかったらしく、汗が一瞬で噴き出すほど。あまりの辛さにイライラし、やがてそれは怒りとなり、テーブルをひっくり返して自宅に帰るYOSHIKI。

番組を観ていた当時は「辛いだけで怒って帰るなんて、どんだけ短気なんだ」と笑っていたが、それと同じことが自分の身に起きた。

吉野家の関東限定メニュー『鬼辛チゲ鍋』を注文した。店内ポスターには「刺激的」「辛いので注意」と念を押されているが、言ってもチェーン店のメニューだ。どこかのカレー屋の強面店主が「挑戦者求む」というスタンスで作った辛さではない。しっかりと辛いが美味しい。そんなところだろう。

しかし、それは違った。

一口食べてみると、辛さが刺さる。"鬼辛"という単語ははじめて聞いたが、その辛さのレベルは少なく見積もっても"激辛"の3倍くらいある。なんでこんなに辛くしたんだ。こんなの食べきれるわけないだろ。

せっかく頼んだので仕方なくお腹を満たすために食べていると、次第にイライラしてきた。店員さんを呼び、「鬼辛とは書いてあるけど、本当に鬼辛じゃないか!」と問い詰めたくなる。しかし、店員さんが商品を開発したわけじゃないし、それは向ける矛先が違う。

しかも「ええ、ですから"鬼辛"チゲ鍋なんです。書いてあるじゃないですか」などとしれっと返されたら、赤面するどころか、頭が噴火する。すでに口の中は辛さで噴火寸前なのだ。ちょっとしたことで、引火して大爆発を起こしかねない。

「辛い」とは味覚ではなく痛覚である。唐辛子を皮膚に塗ると痛いのはそのためだ。「辛いくらいで怒るなんて」とYOSHIKIを変人扱いしていたが、今はその気持ちがわかる。そう、辛いのは痛覚だから、辛すぎる味は暴力行為に等しいのだ。

誰だって見ず知らずの人に肩をバチーンと叩かれたらムッとするだろう。しかし、肩をトントンとされたくらいでは怒らないはずだ。バチーンは怒るけど、トントンは怒らない。すなわち、痛いと人は怒るのだ。

結局お腹には余白がたっぷりありながら、辛すぎるために完食できずに帰ってきた。僕は今日、鬼辛チゲ鍋に殴られたようなもんだ。殴られた頰は今もヒリヒリするし、殴られたボディーは胃袋の炎症を引き起こしている。

YOSHIKIがこれを食べたらどうなるだろうか。ちなみに僕はX JAPANのファンではない。
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