Malzack Blog

— セラピスト・丸山和訓のブログ —

砂漠の中のカズノコ

「アイツの良いところを見つけるなんて、"砂漠の中でカズノコ一粒を探すくらい"難しいよ」

これはかつての同僚が放ったパンチラインだ。かれこれ8年前だっただろうか。一癖も二癖もある上司がいて、「悪口ばっかりもよくないから良い部分も探す努力をしよう」となったのだが、その難しさを例えた表現だ。

この例えを聞いたとき、僕は感動と笑いで震えた。砂漠で四つん這いになって、カズノコ一粒を探す姿を想像して笑った。なんてユーモラスな表現なんだ。

一瞬でこの例えの虜になった僕は「おもしろいから使わせてもらっていい?」と同僚に尋ねる。するとアッサリ「お好きにどうぞ」と使用許可が出た。

以来、僕は"カズノコ一粒"というカードを手持ちに隠しているのだが、これが一向に使える場面に出会えない。UNOでいえば出しそびれたワイルドカードのように、手札に持ち続けているのだ。

ところが先日、待ちに待ったチャンスが訪れた。友だち3人で雑談していたら、ひとりが「あの人って、どことなく真田広之に似ているよねー」と言った。それを受けたもうひとりの友人は「それはないよー。どこも似てない」と返す。「いや、口周りはちょっと似てるって」と会話は楽しくつながる。

来た。ここだ。ここで使うしかない。おそらく僕の髪の毛は逆立っていたことだろう。8年間の満を辞して、カズノコカードを出すチャンスが巡ってきたのだ。

「い、いやぁ、ホント似てないよ。真田広之に似ているところなんて、砂漠の中でカズノコ一粒探すくらい難しいね!」

友人たちは一瞬キョトンと止まり、その後、愛想笑いをしてくれた。

しまった。気負いすぎたか。同僚の見事なパンチラインを、僕はバカみたいに大きなフォームで振りかぶって使ってしまったのだ。ペチーンと威勢良くカードを床に叩きつけたが、「しかし、何もおこらなかった」とパルプンテの失敗みたいな結果になった。

今回の教訓は、肩に力が入るとロクなことがないということ。みなさま、今日も肩の力を抜いてお過ごしください。そして、カズノコ一粒のカードが使える瞬間がきたら、どうぞ使ってみてください。

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