Malzack Blog

— セラピスト・丸山和訓のブログ —

卵の愛好家

世の中には卵の愛好家が多くいる。

卵の愛好家は、丼でもピザでも、最後にトッピングとして卵が乗るとテンションがあがる。僕もそのうちのひとりである。おでんの具でも、卵は必ずおさえておきたい。卵がないおでんなんて高見沢のいないALFEEみたいなもんだ。いや、僕が高見沢のファンだということではなくて、“居ないとなんだか物足りない”ということである。

卵はその可愛らしい見た目だけでなく、字面もまた可愛い。「卵」という正式名称はもちろん、「玉子」「たまご」と書いてもその可愛らしさは消えない。飼っているペットが正面から見てもお尻から見てもかわいいように、卵はどの角度からみても可愛いのだ。

ある日、出先で簡単な軽食を食べるつもりでサンドイッチを買った。質素なコンビニ飯なので、サンドイッチだけでは寂しい。そこで、一緒にゆで卵を買ってみた。卵の愛好家なので、それだけでランチがワクワクするものに変わった。サンドイッチ、コーヒー、そして、ゆで卵。ゆで卵があるだけで、コンビニランチがこんなに楽しくなるとは。

コンビニで売られているゆで卵は大層にひとつずつプラスチックケースに入っている。その外装はやや大げさな気もするが、そこはたくさんのファンを持つ卵様である。それくらい大事にあつかっても不自然ではない。生卵と間違えないための工夫かもしれないが。

好きなものは後に食べるタイプなので、サンドイッチを先に頬張る。途中まで食べ進めて、そろそろ終盤へと差し掛かってきたとき、待ってましたと言わんばかりに、ゆで卵の開封にとりかかる。胸の内で拍手喝采が鳴る。

ゆで卵を取り出すと、中にはなんとタレが入っている。おや、これは新しい食べ方の提案か。ゆで卵にオリーブオイルをかける人もいる。タレをつけて食べるのも案外イケるのかもしれない。

しかし、卵の殻をむこうとしたときに気づいた。これはゆで卵ではない。温泉卵だ。

想像していたのは、プニプニしている可愛らしい卵だ。しかし殻を破って出てきたのは、ドロドロとした卵。卵の愛好家としてあってはならないことだが、僕はそのとき、卵に憎らしさを感じた。なんだよお前、温泉卵じゃん。お前いま出番じゃないから。

仕方なく、殻を半分だけ割った状態からすするように温泉卵を食べた。当然ながらそこに塩気はない。ほんの少しだけ固まった状態の生卵だ。これじゃない感が五臓六腑に染み渡る。

温泉卵に罪はない。ゆで卵と並べて陳列したコンビニにも責任はない。そう、すべては僕が悪いのだ。僕にはもう、卵の愛好家を名乗る資格はない。これからは、“ゆで卵の愛好家”として卵を愛でていこうと思います。

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